解 説  

 試筆

試筆と題して筆の特色を生かした作品作りを試みました。
筆には毛の材質によって剛毛、羊毛、兼毫の3系統がある。
毛の長さによって長鋒、中鋒、短鋒と分かれる。
太さの種類、文字の大きさや紙の種類に合わせると何百種類にもなる。
一本の毛の太さ、長さによって墨持ちが違うから
紙質にあわせると
筆の選定は、書く文字の大きさ、線の太さ
漢字と仮名によっても変わってくる。
"弘法筆を選ばず"とは有名なことばですが
一本の筆でかなりの種類書くことは出来ます。
しかし作品に個性をにじませるため、筆の好みが出るのです。

 


 

毛の材質

剛毛   茶毛・黒毛 (馬の尾毛、 山馬等) で作られた特に硬い筆

兼毫  茶毛(イタチ毛・馬毛・狸毛)等を心に作られた弾力のある筆

羊毛 白毛で柔らかく、しなやかで墨含みの良い耐久性に富んだ筆

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毛の長さ

 長鋒     首の直径に対して長さが約8倍〜5.5倍までの筆

中鋒 首の直径に対して長さが約5.5倍〜4.5倍までの筆

短鋒 首の直径に対して長さが約4.5倍〜3.5倍までの筆

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紙質

紙の種類は漉き方により手漉き、機械漉きに分かれ

産地により特色のある紙が生産されている。

さらに中国産は唐紙、日本産は和紙といって

古くから二分されており、

和紙は特に仮名用としての伝統がある。

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細筆の分類(漢字用、仮名用)

仮名用筆  にじみのない紙を使用するため墨含みより毛の質を考慮する

漢字用筆  墨を良く吸う紙を使用するため、とくに墨含みが良い毛を使用

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作品 例

 

 


 

画仙紙に極太の超短鋒で書いた。(55x170)

線それ自体が面をなし、模様となっている。

 

 

 


 

 

 

夕陽游

和紙に超短鋒で書いた。(14x40)

直鋒でのかすれがきれいに出ている。

長鋒でのかすれと大分違うことがわかるでしょう。

 

 


和紙に羊毛の長鋒で書いた。(12x75)

短鋒のかすれと違い、筆圧の強さが特徴です。

(270X240)

 

 


雨夜

和紙に羊毛の超短鋒で書いた。 (14x40)

 

(280X240)

 

 


和紙に羊毛の長鋒で書いた。 (12x75)

 

(270X240)

 

 


棕櫚(しゅろ)の毛でつくった筆様の刷毛。

アメリカ留学の帰り、ハワイで見つけた。

実際どのように使われているか知らない (25x150)

中国本画仙紙

(670X1350)

 

 


羊毛の長鋒です。 (14x40)

紙はにじみの多い中国製の本画仙紙。

(340X230)